少し出遅れた感の紹介ではありますが、Amazon EC2のインスタンスタイプで、ハイメモリタイプのサーバが追加されました。また、EC2のインスタンス料金の単価が11/1より値下げされます。
あと、それ同時に新サービスとして、MySQLデータベースをサービスとして提供するAmazon RDS (Relational Database Service)が発表されています。
インスタンスタイプの増加により、より用途に応じて利用の幅が広がったことと、利用料金の値下げが利用障壁の低下、利用継続(ライバルサービスへの牽制)となりうるのでしょうか。
ハイメモリタイプのインスタンス(High-Memory Instances)が追加
Amazon RDSのようなデータベース向きの仮想サーバ(インスタンス)としてなのか、メモリが従来のインスタンスの最大値のそれぞれ2倍、4倍となるハイメモリタイプのインスタンスが2種類追加されています。
これで、従来5種類から選ぶ必要があったインスタンスタイプが、全部で7種類に増えたことになります。
追加されたハイメモリタイプのインスタンスは以下の通りです。
High-Memory Instances
Instance | Price | Memory | CPU | Disk | Platform |
---|---|---|---|---|---|
High-Memory Double Extra Large Instance |
$1.20 | 34.2 GB | 13 EC2 Compute Units (4 virtual cores with 3.25 EC2 Compute Units each) |
850 GB | 64-bit |
High-Memory Quadruple Extra Large Instance |
$2.40 | 68.4 GB | 26 EC2 Compute Units (8 virtual cores with 3.25 EC2 Compute Units each) |
1690 GB | 64-bit |
価格こそ跳ね上がりますが、これまで以上に高クロックなCPUと、34.2GBもしくは68.4GBといった巨大なメモリを扱うことの出来るインスタンスです。DBサーバ向きでしょうか。
尚、価格はLinux/UnixベースのOSを利用した場合のものです。Windows OSを利用する場合は、20%増の価格となります。
せっかくなので、以下に従来から提供されている5種類のインスタンス表も書いておきます。
Standard Instances
Instance | Price | Memory | CPU | Disk | Platform |
---|---|---|---|---|---|
Small Instance (Default) |
$0.085 | 1.7 GB | 1 EC2 Compute Unit (1 virtual core with 1 EC2 Compute Unit) |
160 GB | 32-bit |
Large Instance | $0.34 | 7.5 GB | 4 EC2 Compute Units (2 virtual cores with 2 EC2 Compute Units each) |
850 GB | 64-bit |
Extra Large Instance | $0.68 | 15 GB | 8 EC2 Compute Units (4 virtual cores with 2 EC2 Compute Units each) |
1690 GB | 64-bit |
High-CPU Instances
Instance | Price | Memory | CPU | Disk | Platform |
---|---|---|---|---|---|
High-CPU Medium Instance |
$0.17 | 1.7 GB | 5 EC2 Compute Units (2 virtual cores with 2.5 EC2 Compute Units each) |
350 GB | 32-bit |
High-CPU Extra Large Instance |
$0.68 | 7 GB | 20 EC2 Compute Units (8 virtual cores with 2.5 EC2 Compute Units each) |
1690 GB | 64-bit |
EC2インスタンス利用料金の値下げ
以下の価格表を見る限りは、Linux/UnixベースのOSを利用する場合は15%値下げの価格となります。
Windows OSの場合は、約4%の値下げです。
以下は、US(アメリカ)で稼動させる場合とEU(ヨーロッパ)で稼動させる場合の2パターンの価格表です。
Europe
上段の黒色の数字が、現状(〜2009/10/31)の価格、下段の緑色の数字が新価格(2009/11/01〜)となります。
1つ気になるのは、長期利用割引であるReserved Instanceの存在※です。こちらは今のところ特に値下げは発表されていません(2009/08に値下げ済ですが)が、こちらも値下げされるようであれば、このコストパフォーマンスはかなり魅力的であると言えます。
Amazon RDS (Relational Database Service)
Amazon RDSは「MySQL」のデータベースをクラウドで利用できるサービスです。対応しているデータベースはMySQL 5.1ベースで、基本的にMySQLの機能をフルに利用可能です。
バックアップを自動で行ってくれたり、スナップショットが取れたり、DBを稼動させたままスケールアップ/スケールダウンをすることも可能(数分の切断があるらしい)です。完全にPaaS(DaaS)のレイヤと言えるでしょう。
料金は、1時間単位の従量課金で、時間単位の他に、ディスク容量(EBSと同価格)、I/O数、転送量などが課金されます。基本的には、Amazon EC2(MySQL) + EBS(ストレージ) + S3(スナップショット)という感じですね。
ちなみに、Amazon Web Servicesには、既に「Amazon SimpleDB」と呼ばれるDaaSを展開していますが、いわゆるRDBMSの機能は備えていません。
具体的な使い方については、既に紹介されている方もいますが、私も改めて別エントリで紹介したいと思います。
関連リンク
- Amazon Relational Database Service (RDS) – AWS
- http://aws.typepad.com/aws/2009/10/introducing-rds-the-amazon-relational-database-service-.html
まとめ
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