楽しみにしていたセッションの1つ。メモメモ。
「プロダクト開発におけるプロダクトマネージャーの役割とは」
- 丹野 瑞紀 氏
- (株)ビズリーチ
- サービス企画部 本部長
講演のコンセプト
「コンセプト」は、ターゲットと提供価値がセットになっているもの
- ターゲット
- ITエンジニアとして次のキャリアを模索
- 提供価値
- PMの役割と求められるスキルの理解
プロダクトマネジメントとは
- あるプロダクトを市場に出荷していくお仕事
- プロダクトに求められる要件
- ユーザ課題が解決できる
- 技術的に実現可能
- ビジネスとして継続可能
- PMはそれぞれを理解してプロダクトを作っていく
プロダクト開発のプロセス
- 市場調査
- 市場機会の発見
- 事業計画
- 製品コンセプト立案
- 製品開発
- マーケティング戦略実案
- 市場の投入
- PR・プロモーション
- 結果の評価
よくある例としては、
- 上の3つは、 経営企画室の仕事
- 次の2つは、テクニカルPM (プロダクトオーナー) の仕事
- 最後の4つは、ビジネスPM (ビジネスオーナー) の仕事
テクニカルPMが関わるプロセスの詳細
- 問題の発見
- 現認の特定
- 解決方法の考案
- 仕様詳細化
- 設計
- 実装
- 公開
- 結果の評価
プロダクトマネージャーの仕事の範囲
- PMは上の4つ(idea)だけやればいいの?
- 実際に偉大なプロダクトが完成するまでにはとてつもない量の妥協(トレードオフ)が必要
- 実装過程で明らかになる矛盾や課題をエンジニアと一緒に解決していくこともPMの重要な仕事
- プロダクトマネージャとプロジェクトマネージャの役割の違い
- プロダクトマネージャ
- What (何を作るか)
- Why (なぜ作るのか)
- プロジェクトマネージャ
- When (いつまでに作るのか)
- How (どうやって作るのか)
- プロダクトマネージャ
PMの仕事の実際
新規と既存改善それぞれでケーススタディベースで。
既存プロダクトの改善
ex.) あるECサイトで、ダイレクトメールからの購入率を改善したい
- メール受信唐子運輸までのプロセスを因数分解する
- 繊維率を算出する(受信to開封率...etc)
- 指標を時系列で可視化する
- ex.) ある日から急に数値に変化がある場合・・・
- 仮説を洗い出す。ユーザインタビューをすると仮説が出やすい
- 色々な案内メールが来るから見落とす
- タイトルがいつも同じなのでスルーされている
- 買い物するのは隙間時間だけど、メールの着信は仕事中 => 送信時間がキー?
- そもそもメール見ていない
- A/Bテストで仮説を検証する
- A: 朝8時に送信、 B: 昼12時に送信
- コツはユニークユーザで捉える
- △: 10通に1通が開封
- ○: 10人に1人が開封
- 現象は人間の行動に還元される
- 人間の行動を理解するには「インサイト」を押さえる
- インサイトとは顧客の潜在的意識の中にある行動に影響を与える価値観や感情
コンシューマ・インサイトとは
- Wiiのコンセプト
- 「お母さんを敵に回さない」
- ゲームに対するお母さんのインサイト (想像)
- 部屋にこもってゲームばかりやっていて困る
- 親子のコミュニケーションが減った
- もっと体を動かしてほしい
- リビングで家族で体を動かして遊べるゲーム機となった
- システム思考の「氷山モデル」
- 現象(氷山) => 購入率低下
- 時系列パターン => ある時期から開封率低下
- 構造 => DMの配信時間がズレた
- メンタルモデル => ユーザは隙間時間に購入したい
新規プロダクトの開発
- ex.) 中学生が思う、紙の暗記帳の欠点
- 色々な強化の暗記帳を持ち運ぶのが大変
- 作るのが大変、友達と共有したい
- アプリ作ってストアに公開、どんどんダウンロード数はのびた
- しかし、DAUは伸びていない
- そこで、DAUを時系列に表示すると、月末だけ上がっていることがわかった
- ユーザにヒアリングしたら、、、
- 一夜漬けでの勉強に便利だから、月末テストの前によく使われていることがわかった
- では毎日使われるようにするにはどうするべきか
- 暗記帳を持ち運んだり作ったりする手間よりも、継続して学習することに関する課題をみんな感じていることに気づいた
- 暗記帳を元に暗記クイズを出題する機能をつけた
- するとDAUも伸び始めた
- システム思考の「氷山モデル」
- 現象(氷山) => DLは増える、DAUは増えない
- 時系列パターン => 月末だけDAUが増える
- 構造 => 月末に小テストがありテスト前に頑張る
- メンタルモデル => 普段は勉強したくないけど、追試は避けたい
作業レベルで解説
- まずは主観で考える
- 「自分だったらこんなプロダクトがほしい」と考える
- ペーパープロトタイプを作る
- とにかく手を動かしながら考える
- PM自身が明確なゴールイメージを保つためには、自ら画面イメージを描く必要がある
- ユーザ課題の仮説が言語化される
- ヒアリングシートを作ってインタビューする
- 想定していなかった回答が出てくる
- 仮説は外れる
- 主観から客観に落とし込んでいく
- 想定していなかった回答が出てくる
- ヒアリング結果を整理する
- ユーザのタイプが分けられる(それぞれのインサイトは異なる)
- 横軸
- とりあえずテストを乗り切れればいい
- 実力をつけたい
- 縦軸
- 自分で勉強できる
- 補助が必要
- 横軸
- これらからプロダクトのターゲットを絞る
- ユーザのタイプが分けられる(それぞれのインサイトは異なる)
- コンセプトが明確になる
- ターゲットと提供価値がはっきりする
- 同構造の問題の解決例を探す
- Nikeのアプリみたいな、ダイエットやフィットネスアプリ(やらねばと思うが続けられないもの)
- 課題解決のコアアイデアが生まれる
- 努力の可視化や友達との競争によって、"勉強を"遊び"に近いものに
- MVPを作って定量的に検証する
PMへのキャリアチェンジを考える時のポイント
- PMに必要な知識やスキル
- 論理的思考力
- 複雑な問題を整理してモデル化する力
- 実現可能性の判断力
- (プロダクトの)デザインパターンの引き出し
- 開発プロセスの理解
- 市場・事業構造・ユーザ真理の理解
- マーケティングの基本フレームワーク
- 上の5つは、ITエンジニアの経験が強みになる
- あとはマーケティングへの苦手意識を克服すればPMはできる
- 「でも、コミュ力が必要なんでしょう?」
- PMに必要なコミュ力は、雑談力や社交性ではなく、ファシリテーション力に近い
- 自分が伝えたいことを伝える力
- 相手が伝えたいことを聴く力
- ステークホルダーの意見を聞きすぎると、多機能だけど誰も使いこなせないものができる
- いきなり解決方法を考えるのではなく、問題の発見に立ち戻り議論を論理的に整理する
- PMに必要なコミュ力は、雑談力や社交性ではなく、ファシリテーション力に近い
- 「PMって楽しいの?」
- 正直、ステークホルダーの調整がちょっとめんどくさいw
- 狙い通り(企画)に当たった時の喜びが全てを癒す!
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