エンジニア視点 (iPhoneでLinuxが起動、のニュースを読んで)

iPhone / iPod touch


朝の通勤でRSSリーダを眺めていたら以下のニュースに目が止まった。

Appleと「iPhone」ハッカーの間で続いている「軍拡競争」が新しい局面を迎えた。あるハッカーグループがiPhoneでLinux 2.6カーネルを起動させたのだ。
このカーネル移植の成功は「Linux on the iPhone」ブログで発表された。同ブログでは手順説明とソースコードも公開している。

ハッカーグループ、iPhoneでLinuxカーネルの起動に成功 - CNET Japan

これを見て、思うところは人それぞれなのかな、と思う。正解はない。

  • 何の意味があるのだろう。対象はiPhoneという完成品なのに。
  • すごいなぁ。中身はどうなってるのかなぁ。どう動いているのかなぁ。
  • これがさらに発展すれば儲かるのだろうか・・・。
  • etc...


正直、iPhoneという優れたインターフェースを持つ完成品で、そのハードウェアに最適化されたソフトウェアが実装されているものに対して、わざわざLinux kernelを移植して動かそうとしているわけだ。
まだ、この先にビジネスの可能性を具体的に感じるわけでもないし、iPhoneそのもので実現している機能感・完成度には程遠い。


こう、何ていうんだろ。Linuxなどのオープンソーステクノロジをベースに、あえて完成品をハックするという部分に私はエンジニア的な面白みを感じる。iPhoneというハードウェア、アーキテクチャでLinux kernelがブートして動いたのだ。普通に凄いよね、と私は思う。


このニュースをどう感じるかはその人の自由だけど、私はこういうことに面白みを感じる人たちと一緒に己を高めあいたいし、一緒に仕事をしていきたい。
こういうことの多数は意味が無いことかもしれないけど、常識からあえて一歩踏み外したところに、新しい世界は待っていると思っている。


でも、まだ上手くいえないけど、仕事・業務的な観点で見ると、意味がある挑戦と、エンジニア的な挑戦のバランス感は重要だ。その先にあるビジネスモデルも意識していかないとね。
ビジネスでは、挑戦による自己・コストの投資が意味を成す可能性がないと"価値"につながらない。
iPhoneでLinuxは起動した。iPhoneという完成品が、iPhoneはただの優れたインターフェースを持つハードウェアになるかもしれない。この一本の芽生えたばかりの新しい枝葉が新しい市場競争を産み出すかもしれない。


と、こんなことを考えながら朝の通勤ラッシュに揉まれた一時でした。