Amazon EC2のWindows Serverを日本語化する方法

by cuellar


以前紹介した通り、Amazon EC2では、Windows Serverを瞬時に低コストで動かすことが可能です。


しかし、Amazonから提供されているWindows ServerのOSイメージをそのまま稼動させると、↑のエントリで紹介した通り、OSの言語設定は英語となっていて、そのままでは日本語表示も日本語を扱うこともできません

このままでは、何をするにしても日本人にとっては不便ですし、テスト環境などで使うにしても、アプリケーションで日本語を扱いたいときもあるでしょう。


というわけで、今回は、この"Windows Server on Amazon EC2"を日本語化する方法を紹介します。

前提

既に、Amazon EC2にてWindows Serverは動いているものとします。

動かし方については、「わずか5分でWindows Serverを準備する(動かす)方法 (Windows Server on Amazon EC2)」を参考にしてください。
タイトル通りですが、Windows Serverは数分で使えるようにすることが可能です。


今回も、前回に引き続き、Amazon EC2をGUIで操作できる"AWS Management Console"を利用します。

どうやって日本語化するか

Amazon EC2で提供されているWindows ServerのOSには日本語の情報が一切入っておらず、日本語化するためには、Windows ServerのCDが必要となりますが、Amazon EC2のサーバにCDを挿入することは出来ません。


しかし、Amazon EC2のストレージオプションであるAmazon EBSの公開スナップショットボリュームには、Windows ServerのCDイメージがあるため、これを使ってEBSボリュームとしてマウントすることで日本語化することが可能なわけです。


では、以降で詳細な手順を紹介したいと思います。

Windows ServerのCDイメージからEBSボリュームを作成する

それでは、以下のURLより、"AWS Management Console"へ接続しましょう。

https://console.aws.amazon.com/


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"AWS Management Console"に接続してログインした後、左側メニューの"Instances"より、稼動しているWindows Serverのロケーション(Zone)を確認します。上図の例だと、"us-east-1b"となります。
同様に、"Instances"の部分に書かれてあるインスタンスID("i-"から始まっているもの)も、あとで使いますのでメモっておきます。


https://farm4.static.flickr.com/3317/3412654796_e0b9d8334c_o.png

次に、左側メニューより"Volumes"を選択し、"Create Volume"をクリックします。


https://farm4.static.flickr.com/3555/3412654850_b1866b1bf8_o.png

https://farm4.static.flickr.com/3304/3411849579_c604b5e3ea_o.png

"Size"は「2GB」を、"Availability Zone"は先ほど確認したロケーション(Zone)を、"SnapShot"のところは、「Windows 2003 R2 Datacenter 32-bit」を選択します。


上記の選択が完了したら、最後に、下部にある"Create"をクリックしましょう。

EBSボリュームをAttachする

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次に、今作ったVolumeのStatusが"available"になったら、作成したVolumeにチェックを入れて、上部にある"Attach Volume"をクリックします。

# Volumeが、availableになるまで、数十秒かかります。


https://farm4.static.flickr.com/3313/3412655086_e91afa6603_o.png

ここでは、"Instances"のところに、稼動させているWindows ServerのインスタンスIDを選択します。
インスタンスIDについては、先ほど、左側メニュー"Instances"のところで、確認したものを選択してください。

選択後、"Attach"をクリックします。

Windows Serverにて日本語化の設定

では、Windows Serverにリモートデスクトップに接続しましょう。
※ RDP接続については、わずか5分でWindows Serverを準備する(動かす)方法 (Windows Server on Amazon EC2)を参照。


https://farm4.static.flickr.com/3228/3411861455_d6d60a6fe1_o.png

マイコンピュータを確認すると、EドライブにEBSボリュームが接続されていることが確認できます。


https://farm4.static.flickr.com/3601/3411861515_a5d13f1854_o.png

では、[Control Panel] ⇒ [Regional and Language Options]を選択します。


https://farm4.static.flickr.com/3662/3412667172_8f1730f7dd_o.png

Languageタブにある、"Install files for East Asian languages"にチェックを入れます。


https://farm4.static.flickr.com/3379/3411861595_648121feb4_o.png

すると、上図のようなダイアログが出ますので"OK"をクリックします。


https://farm4.static.flickr.com/3354/3411861665_c4fff25cc9_o.png

続いて、Advancesタブを開いて、"Language for non-Unicode programs"の部分で「Japanese」を選択します。
さらに下部にある、"Default user account settings"の部分もチェックを入れます。


https://farm4.static.flickr.com/3619/3412667336_3c46be7c27_o.png

すると、上図のようなダイアログが出ますので"OK"をクリックします。
最後に、Regional and Language Optionsウインドウの最下部にある"OK"をクリックすると、インストールが開始されます。


https://farm4.static.flickr.com/3635/3411861769_f4b47e3f33_o.png

途中、CD-ROMを求められますので、Browseボタンより、EBSボリュームにある「E:\Disc1\I386」を選択します。選択後"OK"をクリックします。


https://farm4.static.flickr.com/3395/3412667448_046a3aef9e_o.png

すると、ファイルのコピーが開始されます。


https://farm4.static.flickr.com/3351/3411861867_82827b392c_o.png

途中、このようなダイアログが出るかもしれませんが、出た場合は"Yes"をクリックしましょう。


ファイルのコピーが完了すると、再起動を求められるので、"Yes"をクリックして再起動しましょう。
尚、再起動には少し時間を要します。(数十秒〜数分程度)


https://farm4.static.flickr.com/3397/3412667522_88bb0e2e86_o.png

再起動後、言語バーで日本語が選択できるようになっていることが確認できます。
続いて、さっきと同じ要領で、コントロールパネルから「Regional and Language Options」を開いてください。表示フォーマットの設定を行います。


https://farm4.static.flickr.com/3334/3411861969_26af3ccbfa_o.png

"Regional Options"のタブを開き、"Standards and formats"の部分で「Japanese」を選択、"Location"の部分で「Japan」を選択します。
ちなみに、Long dateの項目の表示で日本語が表示されていますね。


続いて、"Languages"タブを開いて"Details"をクリックします。


https://farm4.static.flickr.com/3366/3411862015_4ccf41c485_o.png

"Detail input language"の部分を「Japanese - Microsoft IME Standard 2002 ver. 8.1」を選択して"OK"をクリックします。
最後に、Regional and Language Optionsのウィンドウの"OK"もクリックすれば、設定は完了です。

日本語が使えるか確認

ブラウザを立ち上げて、Yahoo!を表示させたところ、問題なく日本語は表示されました。


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この通り、日本語を入力することも可能です。

日本語化したWindows ServerをAMI化する

最後に、この日本語化したWindows Serverのインスタンスを、いつでも使えるようにAMI化(仮想OSイメージ化)します。

AMI(Amazon Machine Image)については、以下リンク先が参考になるかと思います。


https://farm4.static.flickr.com/3390/3411864123_26364c0740_o.png

まず、"AWS Management Console"の左側メニューの"Instances"より、Windows Serverのインスタンスを選択し、上部メニューより、"Bundle Windows AMI"をクリックします。


https://farm4.static.flickr.com/3587/3411864199_92a2d9acd2_o.png

次に、上図を参考に、AMIを保存するバケット名と、AMIの名前(S3でのディレクトリ名)を入力して、"Bundle"をクリックします。

尚、バケットについては、事前にAmazon S3に作成しておくようにしましょう。
Amazon S3の操作については、以下のリンク先が参考になるかと思います。


https://farm4.static.flickr.com/3569/3412669870_178f078268_o.png

上図のような画面が出るとBundle開始です。"Close"をクリックします。


https://farm4.static.flickr.com/3602/3412669938_b53767b385_o.png

AMI化には、しばらく時間がかかります。こんな感じでプログレスバーに今の状況が表示されます。


https://farm4.static.flickr.com/3410/3412669992_a34970106f_o.png

終了すると、Statusが"complete"と表示されます。


https://farm4.static.flickr.com/3335/3411864463_625c32c246_o.png

このBundleをチェック後、イメージをAMIとして登録します。
右クリックして、"Register as an AMI"をクリックしてみましょう。


https://farm4.static.flickr.com/3403/3412670100_e233d084ec_o.png

すると、AMIマニフェストのパスが表示されます。確認した上で、"Register"をクリックします。


https://farm4.static.flickr.com/3326/3411864585_9d3844ab01_o.png

すると、上図のような画面が出て、登録完了です。AMIのIDが発行されていますね。
"Close"をクリックします。


では、登録されたAMIを確認してみます。左側メニューより"AMIs"をクリックしてください。


https://farm4.static.flickr.com/3394/3412670236_11f3ee2413_o.png

上部のViewingを"Owned By Me"に設定すると、自分がレジストしたAMIが表示されます。
先ほど作成したAMIが確認できると思います。PlatformもWindowsと表示されています。


このAMIをインスタンスとして起動する場合は、この画面でAMIにチェックを入れて、上部の"Launch"ボタンをクリックすれば、起動可能です。

最後に

これで、Amazon EC2上のWindows Serverで日本語が自由に使用できるようになりました。

もう個人的には、Windows Serverの検証環境は、これで十分だと思っています。
時と場合にもよりますが、テスト用にWindowsのライセンスを買う必要性はないのではないかと。
好きな時に、Windows Serverを起動して(1時間単位の従量課金)、必要なくなったらシャットダウンすれば課金は止まります。


是非、お試しください。




まとめ

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