本日付けで、Amazon EC2のインスタンス(仮想サーバ)がヨーロッパ(欧州)で稼動させることが可能となったと発表されています。
これまで、Amazon EC2では、アメリカ東海岸の3つのサイトのどこかで仮想サーバを稼動させていたのですが、今回ヨーロッパ西部の2つのサイトがこれに加わる形となります。
ヨーロッパにおいても、"Elastic IP"や"Elastic Block Storage(EBS)"といったAmazon EC2の便利なオプションサービスは問題なく使えるようです。
ちなみにEC2のインスタンスをヨーロッパで稼動させた際にかかる料金ですが、アメリカでのそれに比べ10%増しとなります。もちろん完全従量課金制です。
The following graphic shows the Amazon EC2 cloud. Each region is completely independent and contains Availability Zones that you can use to establish fault tolerance within the region. The original us-east-1 region currently has three Availability Zones and the new eu-west-1 has two.
http://developer.amazonwebservices.com/connect/entry.jspa?externalID=1927
Amazon EC2は大変素晴らしいサービスですが、利用するにあたってネックとなっていたのですが、アメリカ国外からの利用によるネットワークレスポンスの問題です。
日本からの利用についても、やはり約200msec程度のレスポンス遅延が若干気になりますよね。
Amazon S3では既にストレージがヨーロッパに設置されているのに加え、Amazon CloudFrontによるCDNサービスでのコンテンツ配信が可能となるため、これでヨーロッパ地方ではAmazon Web Servicesのフルセットが揃った事になります。
ヨーロッパ地方からの利用は、これで完全に問題がなくなったのではないでしょうか。この調子で早くアジア・日本にも対応・進出していただけると嬉しいですね。
「Amazon EC2/S3を使ってみた - 7.Availability Zoneサービスで稼動ロケーションを指定する」でも書きましたが、アメリカ〜ヨーロッパ間でディザスタ・リカバリーを実施する(仕組みが必要ですが)ことが、個人でも可能となったことは凄いことだと思います。
今まで資本力のある大企業にしか出来なかったこれらのことが、クラウドコンピューティングの力を使って、イニシャルコスト・ゼロで始められる時代です。これこそサービスイノベーションが起こすチープ革命。
使い方の概説
さて、詳しい使い方は例によって後日になりそうですが、ガイドから簡単に読み取れる範囲では、、、
まず、EC2のAPIコマンドラインツールがバージョンアップして"--region"オプションが使えるようになったようだ。まずは、このツールのダウンロードが必要。(CUIで操作するなら)
で、操作する地域(Region: アメリカなのかヨーロッパなのか)を指定するべく"EC2_URL"という環境変数をセットするか、もしくはコマンドで"-U"オプションで地域を指定する必要があるらしい。
次に、これまでAmazon EC2を使っていた場合、登録したAMI(s)やログインで使うSSHのキー、そしてセキュリティ(ファイヤーウォール)の設定は、アメリカ東部に閉じたものとなるらしい。
なので、AMIの登録はヨーロッパのAmazon S3へアップロードすることになる模様。
で、AMIの選択、SSHキーの作成、セキュリティの設定を改めて行って、インスタンスを起動するといった手順になるみたい。
というわけで、まとめると、
- 地域(ヨーロッパ)を指定する環境変数のセット
- AMI(Amazon Machine Image: EC2用のOSイメージ)の選択
- ログイン時に必要となるSSHキーの作成
- セキュリティグループ(ファイヤーウォール)の設定
- インスタンス(仮想サーバ)の起動
こんな感じの順で、ヨーロッパでもアメリカ同様簡単にインスタンスを起動させることが出来るみたいです。
詳しいHOWTOな手順は、また後日。
参考
- http://developer.amazonwebservices.com/connect/entry.jspa?externalID=1927
- Expanding the Cloud: Amazon EC2 in Europe - All Things Distributed
- Amazon EC2/S3を使ってみた - 2.EC2が起こすイノベーション
- Amazon EC2/S3を使ってみた - 7.Availability Zoneサービスで稼動ロケーションを指定する
まとめ
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