オープンソースカンファレンス2008(OSC2008 Tokyo/Spring)に行ってきました(2日目)

mozilla Firefox (紙袋 : OSC2008)


今日も行ってきました。OSC2008。

とはいっても、午後からは会社に行かなければいけなかったため、朝一の仮想化のセッションだけお邪魔してきました。
# 午後のOpenPNEの話も聞きたかったなぁ。。。

オープンソースカンファレンス2008 Tokyo/Spring
http://www.ospn.jp/osc2008-spring/


昨日のは、d:id:rx7:20080229:p1 に書いています。

「Xen」 - こんな使い方はいかがですか?

Xenとは何か?は程々に、Xenでこんなこと出来ますよ!的な本に載っていないような変わったHOWTOが満載だった。

昨日のXenのクラスタに引き続き、このセッションでもiSCSIでの接続が取り上げられていた。Xenでのストレージ活用のトレンドが移ってきてるように感じた。

講演者

  • 長谷川 猛 氏
    • 仮想化友の会
    • (株式会社SRAの方)
    • 普段は、検証環境でVMwareを使ったり、趣味でXenを使ったり

仮想化とは

  • 担当者のイメージ
    • VMwareの画面イメージみたいな実際に動いているイメージ
  • IT部門責任者・お客様のイメージ
    • コスト削減、プロビジョニング・・・
  • 運用コスト
    • サーバ設置する場所
      • 物理的空間、電力、空調設備、コンソール
    • その他
      • 物理的な管理(ケーブリングとか)、運用が複雑化(システムの電源オン・オフ手順、UPS・・・)
      • H/W保守費用とか馬鹿にならない
    • H/Wの利用率向上が見込める
  • x86系プロセッサの特権管理
    • Ring0
      • OSカーネル動作
      • 複数のOSを動かすことが原則できない
    • Ring1, Ring2
      • 普段は未使用
    • Ring3
      • ユーザプログラムが動作
    • VMwareは、Ring0で動いているOSをRing1に追い出して動かしている
  • 仮想化のカタチ
    • コンピュータの仮想化
      • 仮想マシン、パーティニング
      • グリッドコンピューティング
    • ディスクの仮想化
      • RAID
      • 論理ボリュームマネージャ(LVM)
        • LinuxのLVMは、まだまだ不安定なところがある
          • スナップショットとったら壊れちゃったり・・・
      • グリッドファイルシステム
    • ネットワークの仮想化
      • VLANなど
  • 現在の仮想化技術
    • ハイパーバイザ型
    • ホスト型
    • カーネル共有型
  • CPU動作クロックの限界がきている
    • 動作クロックの限界、電力あたりの効率悪化
    • これからは、マルチコア化、マルチスレッド化へ進んでいる

ネットワークストレージの活用化

  • iSCSI
    • Internet SCSI
      • SCSIプロトコルをTCP/IP網で使う
      • SANみたいなのが簡単(安価に)に組める
      • IPベースなので距離制限がない(ディザスタリカバリなどの用途にもGood)
    • XenとiSCSIの組み合わせ
      • (Xen徹底入門に解説がある)
      • クイックガイド
        • iSCSIターゲット
          • /etc/inetd.conf
        • イニシエータからOpen-iSCSIを使って接続する
          • iscsiadm ・・・
        • Domain-UからiSCSIデバイスを使用する
    • iSCSI + IPSec
      • iSCSI自体は、I/Oトラフィックを保護できない
        • IPSecを使って保護する
      • Dom0とストレージの間をIPSec化
        • IPSecポリシの設定

仮想ネットワークの活用

  • Domain-UからのPPPoE
    • ルータとは別に、Domain-Uでプロバイダ接続(PPPoEで)
      • network-bridgeを使う
      • pppoeconfでPPPoEの設定
      • /etc/network/interfaceでDomain-Uが起動した瞬間にPPPoEセッション張るように設定しておく
    • iprouteを使って経路制御

まとめ

  • 今回はXenの話を全然していない
  • 今回使ったもの
    • IPSecスタック(usagi)
    • user-mode PPPoE
    • iproute2
    • iSCSIイニシエータ、ターゲット

質疑応答

  • 仮想化させたときのI/Oオーバーヘッドは?(iSCSI)
    • I/Oは仮想化でもそれほどエミュレーションしていない
    • PVドライバを使用(I/Oエミュレーション)したときと未使用(準仮想化I/O)の場合を比較して、約20倍の性能差が出た(準仮想化の方が高速)
    • 物理マシンと比較しても9割の性能値は出ている
  • マルチコアのマシンは簡単に使える?コアは使いきれる?
    • 入れるだけでOKの認識。Xenでは、どのマシンをどのコアに割り当てるか、など柔軟な設定が可能
  • CPU利用率はどのくらいを目安に構築するべきか(サイジング)
    • 普通の本などには書かれていないので、日々試行錯誤している
    • 仮想マシンにのせるサービスによりけり
    • ピークタイムが分散しているようなアプリケーションを仮想化で統合するような使い方が望ましい
    • 講演者の身近なところでは、60%前後まででおさまるように設計している
  • Xenでは、複数のマシンからディスクを共有した場合に、I/Oトラフィックを均一化・制御できるのか?
    • Xen側で優先度を付けることが可能
    • ディスクのグループ(LVMなど)も分けてしまって手動で運用するパターンもある